黒檀色から鉄錆色へ
時とともに味わいを増す伊達冠石
地球の営みが目前に広がる
大蔵山の採石場
大蔵山は、福島県から宮城県へと続く阿武隈山系の北側に位置する緑豊かな里山です。 大蔵山の尾根沿いにある 50ha の広い敷地に伊達冠石の採石場がございます。 鉄分を多く含んだ赤土に覆われた大地の約 10m掘り下げたところにある伊達冠石の岩盤は約 2000 万年前に活発に起こった火山活動によって形成されたと考えられています。
長い長い地球の歴史の中、マグマの冷え固まり方や海進の影響などで丸玉石、柱状、そして鋭角的なカーブの彫刻のような形状など、実にさまざまな形の石がとれるのです。
水に強く、磨いて美しい
緻密な石質の伊達冠石
伊達冠石は両輝石玄武岩質安山岩に属する玄武岩溶岩 ・ 火成岩です。
鉄分を多く含むため風化した皮は独特の褐色や錆色を呈する一方、 内部は一様に
黒檀色です。 この特徴ある石を加工する際には、 表面の表情をどのように残すかが
大きなポイントになります。 また、 石質は非常に緻密で石目が詰まっているため、
水分を含みにくく、 雨風による劣化が少ないのも特徴です。
本磨きでは光沢が強く現れ、 水磨きでは奥行きのある硯のような枯れた風情を帯びる
伊達冠石。 加工による表情の違いも、 ぜひ直接お確かめ下さいませ。
時が染める色合い
本磨きの艶やかな鏡面のような美しさ。 水磨きのマットで奥深い表情は伊達冠石の醍醐味ですが、 この黒檀色の面は年々味わい深い鉄錆色へと変化していきます。 これは石に多く含まれる鉄分が空気や水分に触れて徐々に酸化することによって起こる経年変化なのです。 また、 長い年月を経ても水分への耐性は変わらず、 艶落ちもしません。 モニュメントや石塔、 墓石として伊達冠石が評価される特徴のひとつです。
伊達の墓
伊達冠石を知り尽くした熟練の職人技が生み出す
世界でたったひとつのお墓
冠
kaburi
丸玉石の断面を本磨きで仕上げ、
自然の風合いを生かしたモデル。
玄
kuro
直線と切り残された皮肌が特徴的、
マットな水磨き仕上げ。
大蔵山スタジオ
大蔵山に点在する伊達冠石の巨石を用いた、
山と石の生命の温もりが伝わる文化施設です
大正時代に伊達冠石の採掘がはじめられた大蔵山は人々が鹿やイノシシを狩り春には山菜を秋にはキノコ採取するような豊かな自然に恵まれた里山でした。
現在は採掘を終えた跡地に土を埋め戻し緑を蘇らせる作業をされており、 「石は山の恵みそのもの、 石をもたらしてくれる山に感謝し、 山に命を返す」 という信念のもと、 採掘場でありながら再び人々が集う緑豊かな里山の姿になっています。
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彫刻家イサム・ノグチも愛した石
力強い存在感と、 独特の形と色合い。 本磨きにすれば光沢が強く現れ、 マットな水磨きを施せば硯のような枯れた表情を呈する伊達冠石は、 創作活動をする彫刻家や建築家の方々を魅了してやみません。 また世界的にも有名な彫刻家イサム・ノグチも愛した石として現在も国内外の建築家や彫刻家らにより特別な設えの宿泊施設やギャラリーなどで美術品として活用されています。
大蔵山スタジオ
山の見学
大自然に広がる大蔵山で伊達冠石に直に触れ、 石の生まれる環境を感じることができます。 大蔵山に点在する石舞台野外劇場、 山堂サロン、 2 本の巨石を祀った現代イワクラなど、 巨石を中心とした文化施設、 そして墓石を加工する工場などを見学するガイドツアーへ。
伊達冠石のお墓に興味を持って頂いたお客様を大蔵山スタジオへお連れ致します。 実際の展示品や原石、 ひとつひとつ異なる伊達冠石の表情を確かめながら石を選ぶことができます。
ご見学ご希望の方はお電話かお問い合わせフォームよりお申込みくださいませ。 (時期によってお受けできない場合もございますのでご了承くださいませ)